.
 鬼社

草間興信所・シングルノベル

.
■ オープニング

 草間がいつものように煙草を燻らせているところへその客、いや、子供はやって来た。
右手には何枚かの紙幣を握りしめ、左手でこぼれ落ちる涙を拭っている。 零に応接ソファへと導かれると、子供は吃りながら「依頼」を話し始めた。

−「で、その神社への立ち入りは以前から禁止されていたらしいんだが、相手は子供だ。大人に内緒で、境内はその辺に住む子供達の秘密の遊び場になっていたらしい。それから荒れ果てた神社ではあるが鳥居の奥に大木が祀られていて、年に一度は注連縄が取り替えられているそうだ。」
 草間は言葉を切ると周囲を見回し、首を傾げてにやりと笑った。
「そう。察しがいいな。なんでもその子供の友達が、木に登ろうと注連縄に足をかけた拍子に縄を切ってしまったらしい。簡単に切れる代物でもないと思うんだがな。切った子供は木から現れた鬼に捕われたそうだ。鬼からその子供を助けだしてほしいという依頼なんだが。」
  草間はテーブルに置かれたしわだらけの三千円を見遣った。
「報酬はごらんの通りだが。…そうか。行ってくれるか。」 草間は苦笑を返した。
「零。」 草間がそう言うと零が神社の位置を記したメモをあなたに手渡した。
.

この小説は株式会社テラネッツが運営するオーダーメイドCOMで作成されたものです


.

依頼ライター:U.C ■
荒祇天禪の魅力迫る(笑)>>